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子供のために知っておきたい、食品から発生する有害物質4つとそのリスクを減らす調理法
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- 2016年06月28日
健康に害を及ぼす様々な化学物質。\r\n食品の産地や表示に気を付けていても、日常の食生活で、知らず知らずの内に摂取してしまうことも。\r\n\r\n食品安全委員会が評価を下した、4つの有害物質の特徴と、気をつけたい調理法についてご紹介します。\r\n\r\nこの記事でご紹介する有害物質は、以下の4種類。\r\n\r\n
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- アクリルアミド
- トランス脂肪酸
- ヘテロサイクリックアミン、多環芳香族炭化水素(PAH)
- ヒ素、メチル水銀
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高温調理で発生する物質「アクリルアミド」とは?
\r\n\r\n\r\nアクリルアミドとは、120℃以上の高温加熱により、アミノ酸の一種であるアスパラギンと果糖・ブドウ糖などの還元糖がメイラード反応を起こし、その過程で生成される物質。\r\n\r\n動物実験などから発がん物質と判断され、各国で低減対策がとられています。\r\n\r\n
アクリルアミドの健康への影響。明確ではないが、体には不必要?
\r\n\r\n焼く・炒める・揚げるなどの高温調理で発生するアクリルアミド。\r\n国際がん研究機関によって「おそらく人に対し発がん性がある」と認められ、世界的に摂取量を減らす取り組みが行われています。\r\n\r\n2016年4月に、食品安全委員会が「ヒトにおける健康影響は明確ではないが、懸念がないとは言えない」と評価を下しました。\r\n\r\nこれはどういった意味なのでしょうか?\r\n同委員会の佐藤洋委員長は、以下のように説明しています。\r\n\r\n
「ヒトを対象とした研究では、アクリルアミドとがんとの関係ははっきりしないが、発がん性物質であることは明らか。日本人の摂取量は、動物実験で影響があった量の1000分の1程度。それほど心配はないが、体に必要なものではないので、できるだけ減らしてください」
\r\n\r\n日本人のアクリルアミドの推定平均摂取量(体重1㎏当たり)は、1日あたり0.24μg(マイクログラム)。\r\n\r\nEUは0.4〜1.9μg、オーストラリア・ニュージーランドは1〜4μgなので、海外の数値と比べても多くはありません。\r\n\r\nでは、ここからどうやって摂取を減らせばいいのでしょうか?\r\nまず、日本人が何からアクリルアミドを摂取しているのかを見てみましょう。\r\n\r\n
日本人はアクリルアミドを何からとっているか
\r\n\r\n同委員会の調査によると、最も多いのが高温調理した野菜。\r\nつまり家庭の調理で発生しているものです。\r\n\r\nコーヒーやほうじ茶といった飲料、ポテトチップスなどのスナック菓子、トーストなども挙げられますが、摂取量の56%を占めるのは、高温で調理された野菜。\r\nもやし炒めやフライドポテトなどです。\r\n(食品安全委員会資料より)\r\n\r\nそこで必要なのは調理の工夫!\r\nアクリルアミドは、調理法を工夫すれば低減できます。\r\n\r\n
アクリルアミドの摂取量を減らす調理のポイント
\r\n\r\n調理のポイントは3つあります。\r\n\r\n
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- 下準備でひと手間かけ、イモ類や野菜類はアクリルアミドになる成分を減らすこと
- 調理方法では、煮る・ゆでる・蒸すなど、水を使った調理に置き換えること
- 炒める・揚げるなど高温調理する場合は、加熱時間を短くしたり、加熱温度を下げたりして、野菜や炭水化物を焦がさないようにすること
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\r\n\r\nまた、以下の点にも注意すると尚良いでしょう。\r\n\r\n
\r\n\r\nジャガイモは長時間冷蔵すると還元糖が増えるため、常温で保存しましょう。\r\n\r\n
\r\n\r\n調理前に水にさらすと、表面のアスパラギンや還元等が洗い流されます。\r\n\r\n
\r\n\r\n火力は弱め、加熱時間は短めに。\r\n炒めるときはよくかき混ぜ、焦げにくくしましょう。\r\n\r\n
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冠動脈疾患のリスクを高めるトランス脂肪酸
\r\n\r\n\r\n次に、トランス脂肪酸について。\r\n\r\nトランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の一種。\r\n油脂の固形化や脱臭処理などの加工・調理の際に生成されます。\r\n\r\n摂取量が多いと冠動脈疾患などを増加させるリスクがあるとされ、WHOは摂取量を総エネルギー比で1%未満に抑えるよう目標を示しています。\r\n\r\n
トランス脂肪酸の摂取量はWHOの目標をクリア
\r\n\r\n2015年6月、米国食品医薬品局(FDA)は、トランス脂肪酸が多く含まれる部分水素添加油脂について、18年以降は使用するときに同局の承認を必要とすると発表しました。\r\n\r\nこれが「トランス脂肪酸の使用禁止」と報じられ、「日本ではどうなっているのか」と話題を呼んだのは、記憶に新しいのではないでしょうか。\r\n\r\n海外の研究では、トランス脂肪酸をとり過ぎると、冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)のリスクを高めるとされています。\r\n\r\n肥満、アレルギー性疾患との関連、妊婦や胎児への影響も指摘されています。\r\nでは、日本でトランス脂肪酸はどう評価されているでしょうか。\r\n\r\n食品安全委員会の評価は以下の通りです。\r\n\r\n
「日本人の大多数はトランス脂肪酸の摂取量がWHO(世界保健機関)の目標を下回っており、通常の食生活では健康への影響は小さい」\r\n
\r\n\r\n日本人の平均摂取量(エネルギー比)は0.3%であり、「1%未満」というWHOの目標を十分にクリアしています。\r\n一方、アメリカは大きく上回り2.2%。\r\n\r\n地域によって摂取量に差があるのが現状で、健康への影響を示す研究も、日本人より摂取量が多いケースに基づくものです。\r\n\r\nこのため、「平均的な日本人の摂取量においては、リスクとの関連は明らかではない」と言われています。\r\n\r\nただし、同委員会の評価書には続きがあります。\r\n「脂質に偏った食事をしている人は留意する必要がある」ということです。\r\n\r\n実際、問題なのはトランス脂肪酸だけではありませn。\r\n同じ食品中のトランス脂肪酸を、製法を変えて低減させると、飽和脂肪酸の含有量が増加する傾向にあります。\r\n\r\n飽和脂肪酸については、摂取目標量の上限(エネルギー比7%)を超える性・年齢階級があることから、「トランス脂肪酸だけを必要以上に心配せず、脂質全体の摂取量に十分な配慮を」と呼びかけられています。\r\n\r\n
製品によってトランス脂肪酸の含有量にバラツキがある
\r\n\r\n\r\n\r\n現代社会はライフスタイルが多様化して、家族が一緒に食事をするという“通常の食生活”を送ることが難しくなっています。\r\n\r\n仕事や塾に追われて、外食、加工食品やコンビニ弁当を利用している人が増えており、それが脂質に偏った食事に繋がりかねません。\r\n\r\nただ、脂質の摂取量に配慮をするにも、それぞれの製品にどれだけの含有量があるのかわからなければ配慮はできないでしょう。\r\n\r\nこの点、トランス脂肪酸に関して商品パッケージに含有量の表示義務がないのは気になるポイント。\r\nトランス脂肪酸の含有量自体は業界の努力によって減っていますが、製品によってバラツキがあるのも事実です。\r\n\r\nトランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、ビスケット類、スナック菓子など多くの市販品に含まれますが、含有量は製品によって差があります。\r\n\r\n100g当たりの含有量は、市販マーガリンで見ると最も多い商品で12.3g、最も少ない商品で0.9gと、商品によって差が大きいのです。\r\n(食品安全委員会の平成18年度調査データより)\r\n\r\nどれを選ぶかによって摂取量に差が出るだけに、「個人の食生活が多様化するなかで、製品ごとの表示は必要」という声も多く上がっています。\r\n\r\n
お肉の焼きすぎで発生する?ヘテロサイクリックアミンと多環芳香族炭化水素
\r\n\r\n\r\nさらに注意したい物質に、「ヘテロサイクリックアミン」と、「多環芳香族炭化水素(PAH)」が挙げられます。\r\n\r\n
直火・高温で焼いた肉には健康へのリスクがある?
\r\n\r\n直火・高温で肉を焼くと「ヘテロサイクリックアミン」や「多環芳香族炭化水素(PAH)」と呼ばれる物質が形成されます。\r\n\r\nヘテロサイクリックアミンは、食品のアミノ酸や糖などが高温で反応して生成される物質です。\r\n多環芳香族炭化水素は、肉の脂肪滴(肉汁)が火の中に落ちたときにできる物質(煙)で、焦げとなって付着します。\r\n\r\nウェルダン肉やフライパンやバーベキューで調理した肉のとり過ぎが、大腸がん、すい臓がん、前立腺がんの発症に関与すると報告されています。\r\n\r\n動物実験では、いずれもがんのリスクを増やすとされています。\r\n\r\nこれらの物質を減らすには、肉をゆでたり、蒸したりといった低温調理が効果的です。\r\n\r\nまた、肉を焼くときは、焼く前にマリネ(ビールやワインに漬ける調理法のこと)すると良いでしょう。\r\n特に黒ビールは抗酸化物質の働きでPAHの形成を抑制する力が大きいと言われています。\r\n\r\n
ヘテロサイクリックアミンとPAHを減らすための調理法
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- 肉を調理するときゆでたり蒸したりの低温の調理にする
- マリネにする
- 30分水に浸す
- 戻した水は捨てる
- お湯に入れ、ゆでる(沸騰後は5分間)
- 水洗いする
- ともえ編集部
\r\n\r\n150℃以上の高温や直火での調理を避けましょう。\r\n水を使った調理がお薦めです。\r\n\r\n
\r\n黒ビールやワインに漬けてから肉を焼くとPAHの形成が阻害されます。\r\n\r\n
魚や海藻にも含まれている、ヒ素とメチル水銀
\r\n\r\n\r\n健康への影響が気になる物質にはヒ素とメチル水銀もあります。\r\nいずれも自然界に広く存在し、伝統的な食事から摂取しやすいものです。\r\n\r\nヒ素は海藻、特にひじきに多く含まれていますが、食品安全委員会は\r\n\r\n
「通常の食生活における摂取で健康に悪影響が生じたことを明らかに示すデータはなく、食品からの摂取に問題があるとは考えていない」
\r\n\r\nとしています。\r\n\r\n一方、魚から摂取することの多いメチル水銀。\r\nこれは胎児への影響が懸念されるため、厚生労働省は妊婦に対し注意を促し、魚ごとに摂取量の目安を設けています。\r\n\r\n
ヒ素とは?
\r\n\r\n自然界に広く存在し、有機ヒ素と無機ヒ素があります。\r\n毒性が強いのは後者。\r\n\r\n短時間に大量に体内に入ると、発熱や下痢などの症状が現れます。\r\n長時間、継続的に摂取すると、皮膚組織の病変や発がんの可能性がある物質です。\r\n\r\n
メチル水銀とは?
\r\n\r\n自然界に存在する水銀は、微生物によって毒性の強い「メチル水銀」となり、食物連鎖により魚介類に取り込まれます。\r\n\r\n摂取しても体外に排泄されますが、胎児には発達障害などの影響が出る恐れがあることから注意喚起がされています。\r\n\r\n
ひじきは「ゆでこぼし」によって無機ヒ素を減らせる
\r\n\r\nひじきは「ゆでこぼし」をすることで、ヒ素の含有量を大幅に減らすことが可能です。\r\n\r\n手順は以下の通りです。\r\n\r\n
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\r\n\r\n乾燥ひじきは調理法が肝心。\r\n「ゆでこぼし」をして適量を食べれば、健康には問題ありません。\r\n\r\nゆでこぼして減らせる無機ヒ素は、約9割とも言われています。\r\n鉄分、カルシウム、食物繊維は7割以上残るので安心してください。\r\n戻した水は捨てましょう。\r\n\r\n無機ヒ素の含有量は海藻、特にひじきに多く含まれています。\r\nただし、ひじきを多く食べる階層でがんが多いなど、健康に悪影響が生じたことを明確に示すデータはありません。\r\n(食品安全委員会資料より)\r\n\r\nまた、米にもヒ素は含まれますが、ぬかの部分に多いため、玄米を避け、白米で食べることにより摂取量を大幅に低減できます。\r\n\r\n
おわりに
\r\n\r\n野菜も、魚も、油も、健康維持には欠かせない食材。\r\n大切なのはバランスのとれた食生活です。\r\n\r\nそれぞれの食材のリスクも知った上で、適切な調理法を行い、健康に良い食生活を送りたいですね。
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