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肝臓がんの原因は「飲み過ぎ」ではない?もっと怖いB型・C型肝炎ウイルスを知ろう
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- 2016年06月09日
肝臓がんにかかってしまう原因を考えたとき、「お酒の飲みすぎ」による肝臓への負担が原因だと思われがちです。\r\n\r\nしかし、多量にお酒を飲むことで肝臓がんになってしまうというケースは、日本では僅か数%。\r\n実は、肝臓がんの8割はB型肝炎ウイルスもしくはC型肝炎ウイルスが原因なのです。\r\n\r\nここでは、肝臓がんの多くの原因となるB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染する原因や肝臓がんとの関係、その治療法について解説します。\r\n\r\n
肝臓がんの8割はB型ウイルスもしくはC型ウイルスが原因
\r\n\r\n\r\nB型肝炎ウイルスに感染してしまった場合、感染していない人と比べて肝臓がんになるリスクが約16倍だとされています。\r\nC型肝炎ウイルスの場合、さらに約36倍という統計結果があります。\r\n\r\nまた、自分が肝炎ウイルスに感染していると気づいていない人が、B型肝炎の場合は約90万人、C型肝炎では約80万人存在するとされています。\r\n私たちのづかないところで肝臓がんのリスクは高まっているのです。\r\n\r\n実際の肝臓がんの原因別を割合で見てみると、C型肝炎ウイルスの感染者が64.7%、B型肝炎ウイルスの感染者が15.1%、その他の原因が20.2%となっています。\r\n
どんなきっかけでB型やC型肝炎ウイルスに感染するのか
\r\n\r\n\r\n肝臓がんは高齢者の方にも多いのですが、最近は20代~40代の方たちでも増加傾向にあります。\r\nピアスの穴あけや美容整形を通して感染するケースがあるのです。\r\n\r\n高齢者の場合、原因は輸血などの医療行為による感染が多いのに対して、若い人たちの場合は美容整形やピアスの穴あけといった、美容に関する医療行為で感染することがあります。\r\n\r\nウイルス感染の原因となるような、以下のことを避けるようにしましょう。\r\n\r\n
ウイルス感染の原因となる、避けるべき行為
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- 他人が使った歯ブラシやカミソリを使わずに自分専用ものを使うこと
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- ピアスの穴あけや美容整形は自分でやらずにちゃんと医療機関へ行くこと
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- 感染している恐れがある人との性行為をする時はコンドームを必ず使用すること
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- 入れ墨は他の人が使った器具を共用する場合がほとんどなので危険性は高い
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- 感染していると思われる人の血液や分泌物には触れないこと
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B型・C型肝炎ウイルスに感染する原因とは?
\r\n\r\n\r\nもともと肝炎ウイルスと呼ばれているものには、AからEまでの5種類の型があります。\r\nその中でもがん化すると言われているのが、B型肝炎ウイルスもしくはC型肝炎ウイルスです。\r\n\r\nがんになる恐れのある慢性肝炎ウイルスに感染している方は210万~280万人いると推計されており、とても多いものとなっています。\r\n\r\n
B型肝炎ウイルスに感染する原因
\r\n\r\nB型肝炎ウイルスに感染してしまう原因としては、出産した時に母子感染することが多く、他にも性行為や感染者の血液に接触することで感染します。\r\n\r\n最近では欧米人と性行為をすると人が増えてきているためか、欧米型のB型肝炎ウイルスに感染する人も年々増加傾向にあります。\r\n\r\nそして、欧米型のB型肝炎ウイルスに感染していることに気づかないまま日本人同士で性行為をすることによって、感染者が拡大しているということも考えられています。\r\n\r\n
C型肝炎ウイルスに感染する原因
\r\n\r\nC型肝炎ウイルスに感染してしまう原因としては、ほとんどが輸血や血液製剤の投与を受けた際による感染です。\r\n\r\n先ほどにも少し記載しましたが、B型とC型の両方の肝炎ウイルスは、医療機関以外でのピアスの穴あけや美容整形、タトゥーなどを入れることも感染の原因となります。\r\n\r\nよって、20代~30代の人でもウイルスに感染している人が多いのです。\r\n若いから関係ない、ということは決してありません。\r\n\r\n
ウイルス肝炎の感染からどのように肝臓がんになるのか
\r\n\r\n\r\nウイルス肝炎に感染すると、すぐというわけではありませんが、慢性肝炎や肝硬変を経て25~30年後に肝臓がんに進行するケースがあります。\r\n\r\n先ほどにも記載しましたが、ウイルス肝炎に感染していて慢性肝炎になってしまっても、初期症状ではほとんど無症状なので、本人が気がつかずに進行しているということがよくあります。\r\n\r\nまた、B型やC型肝炎ウイルスに感染している時間が長ければ長いほど、肝臓がんは発症しやすくなります。\r\n\r\nメカニズムはまだ不明なのですが、有力な説としては慢性的に起こっている炎症によって体内の遺伝子に変化を起こすようになり、本来は存在しない異常な細胞が増えていくことにより、肝臓がんを発症すると言われています。\r\n\r\nなので定期的に近くの保健所などで血液検査をするように心がけ、肝炎ウイルスに感染しているかどうかを早く知るようにして、早期治療を目指すのが一番大事なこととなります。\r\n\r\n以下、B型・C型肝炎ウイルスによって肝硬変や肝臓がんに進行するリスクについてご紹介します。\r\n
●B型肝炎ウイルスの場合
\r\n症状もない状態でB型肝炎ウイルスを持っている場合、感染者の10%の人が10年の間に他の病気に進行するリスクがあります。\r\n
●C型肝炎ウイルスの場合
\r\nC型肝炎ウイルスに感染している人の60%~80%が10年の間に急性肝炎になるリスクがあります。\r\n\r\nまた、感染している人の20%~30%が、20年の間に慢性肝炎や肝硬変を経ずに肝臓がんになるリスクがあります。\r\n\r\n30%~40%の人が10年の間に進行し、7%~8%の人が1年間の間に肝硬変を経て肝臓がんになるリスクがあります。\r\n
肝炎ウイルスに感染しても必ずし肝臓がんになるわけではない!
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●B型肝炎ウイルスの場合
\r\n\r\nB型肝炎ウイルスの場合、HPV(ヒトパピローマウイルス)と同様に免疫の力によって、ウイルスの90%は排除され、最終的には消滅するのが通常です。\r\n\r\n消滅せずにずっと感染し続けていることによって肝臓がんに進行してしまう危険性があるのは、1割程度だとされています。\r\n\r\nただ、B型肝炎の場合、まれに劇症肝炎を引き起こすことがあります。\r\nそうなると緊急入院しなくてはならなくなりますが、ほとんどは無症状であることが多いです。\r\n\r\n
●C型肝炎ウイルスの場合
\r\n\r\nまたC型肝炎ウイルスの場合は、感染した人の60~80%もの人が、25~30年の間に慢性肝炎を経て肝硬変や肝臓がんを発症する可能性があるとされています。\r\n\r\n肝臓は「沈黙の臓器」とも言われており、初期症状が出にくい場所でもあるため、症状が出ていると気がついた時にはがんがかなり進行している場合もあるので、要注意です。\r\n\r\n統計を見てもわかるように、肝炎ウイルスは感染していることに気づいていない人が多いので、20歳を過ぎた方は定期的に血液検査をするように心がけて、B型もしくはC型の肝炎ウイルスに感染していないかを調べておくと安心です。\r\n\r\n肝炎ウイルスの検査は、お近くの保健所で無料で受けられます。\r\nぜひ定期的に検査をしておきましょう。\r\n\r\n
脂肪肝が多いと肝臓がんになりやすいの?
\r\n\r\n\r\n脂肪肝によって肝臓がんになる人は年々増加傾向にあります。\r\n脂肪肝というのは、いわゆる中性脂肪が肝臓に溜まってしまっている状態のことを指します。\r\n\r\n以前は、脂肪肝を経て肝臓がんになるリスクはないと言われていたのですが、現在では脂肪肝を持っている人の10%~20%が長い年月を経て肝臓がんになってしまう可能性があることが明らかにされてきました。\r\n\r\n脂肪肝の恐ろしいところは、一見痩せている女性であっても、「隠れ脂肪肝」という状態になっている人もいるということです。\r\n\r\n脂肪肝の可能性がある人は定期的に運動をするように心がけて、もし現在肥満体重になっている人は体重を減らしていくことによって、脂肪肝も減り、肝臓がんのリスクを回避することができます。\r\n\r\n
肝炎ウイルスを完全になくすための治療方法はあるの?
\r\n\r\n\r\n新薬が開発されたことによって、C型肝炎は完治できるようになりました。\r\n\r\nこれまで、肝炎ウイルスに感染した場合はインターフェロン治療が行われていました。\r\nしかし高齢の患者の場合、副作用が強く出てきてやすかったため、治療を中止にせざるを得ないという例も数多くありました。\r\n\r\nしかし、最近ではC型肝炎に対しての抗ウイルス薬が登場してきており、その効果も発揮されていることが証明されています。\r\n\r\n中でも特に効果があるとされているのが、2015年9月に発売された「ハーボニー」という新薬です。\r\n副作用を少なく抑えることができて、尚かつほぼ100%肝炎ウイルスを除去できるという薬ができました。\r\n\r\n肝炎ウイルスを完全に消すことで肝臓がんのリスクも同時に軽減することができるので、とても効果的な薬であると言えるでしょう。\r\n\r\n
おわりに
\r\n\r\n肝臓がんの多くの原因となっているB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの特徴を解説しました。\r\n\r\n肝臓がんに限らず、がんへのリスクを軽減するには、常に体のチェックをすることが大切。\r\n\r\nぜひ定期的な健康診断などを心がけてください。
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- ともえ編集部