子供の就寝に貢献するイギリス公共放送BBCの取り組み

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午後7時に放映が終了するイギリスの公共放送

\r\n\r\n\r\n\r\n午後5時。\r\nイギリスの公共放送局BBCの子供向けチャンネルであるCBBCを見ていると、「さようなら、太陽。こんにちは、お月様」という歌が聞こえてきます。\r\n\r\nイギリスでは、一日中子供向けの番組を放送しているチャンネルが複数ありますが、CBBCに限らず、これが一般的な光景です。\r\n\r\n午後6時には、パジャマ姿のお兄さんやお姉さんが出てきます。\r\nチャンネルの人気キャラクターたちも次々に出てきて、「おやすみなさい」を言ってくれます。\r\n「お片づけをしてから寝ようね」と言ってくれるチャンネルもあります。\r\n\r\n一連のごあいさつの合間は、アニメなどの番組が通常通り放映されています。\r\nそして、午後7時前になると、絵本の読み聞かせのあとに、「おやすみなさい」の歌が始まります。\r\n\r\n午後7時ちょうどにテレビはピタッと止まり、翌朝7時に放映を再開しますというテロップのみが画面に表示されます。\r\n\r\nしばらくすると、完全に黒画面に！\r\n初めて気づいたときは、テレビの電源が勝手に切れたのか、テレビが壊れたのではないかと思ってしまいました。\r\n\r\n

絵本も、午後7時に就寝。では、実際は？

\r\n\r\n\r\n\r\n一日の生活の流れが分かる時計付きの絵本を購入してみました。\r\n夜ご飯が午後5時、就寝は午後7時となっています。\r\n\r\nこれは、テレビや絵本の中だけの話なのでしょうか？\r\n果たして、実際はどうなのでしょうか？\r\n\r\n私は現在、イギリス最大の子育て支援の団体で、ボランティアとして活動しています。\r\n同じくボランティアとして参加している方や、イベントに参加した方に、子供の就寝時間について聞いてみました。\r\n\r\n私の娘と同じ3歳前後のお子さんを持つ家庭の例ですが、母親が専業主婦でもワーキングマザーでも、子供の寝る時間に違いはないようでした。\r\n\r\n午後5時台に夕食、午後6時台にお風呂、午後7時に就寝というのが一般的なパターンのようです。\r\nちなみに、起床時間は午前6時台だそうです。\r\n\r\n

日本とは環境が違いすぎる？！

\r\n\r\n\r\n\r\n娘をこちらの保育園に預けていますが、両親がフルタイムで働いている場合でも、預ける時間はだいたい午前8時から午後5時です。\r\n\r\nそもそも、保育園の終了時間が午後6時までのところが多いのです。\r\n\r\n私は、日本では夫が単身赴任をしていたので、フルタイムで働きながら一人で子育てをしていました。\r\nイギリスの実情を目の当たりにするたびに、「無理でしょうー」と何度も心の中で叫んでしまいました。\r\n\r\nそれでも、できれば子供に早く寝てもらいたいので、日本とイギリスの違いについて考えてみました。\r\n\r\n家庭と仕事にまつわる、イギリスと日本との違いを挙げてみると、以下のようになります。\r\n\r\n

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• 通勤に時間をかけない

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• ラッシュアワーが少ない

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• パパもママも午後5時から6時には仕事を終わらせる

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• そもそも、残業の概念がない

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• キッチンやリビングと子供部屋が離れている住環境

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\r\n\r\n先ほどお話ししたボランティア団体の会議は、午後7時45分から午後10時までです。\r\n\r\nメンバーは子育て中のパパママが主なので、子供を寝かしつけてから集まります。\r\nまたは、パートナーに寝かしつけをお願いして、家を出ます。\r\nパパママともに帰宅が早いから実現できることでしょう。\r\n\r\nイギリスでは、午後7時からは「大人の時間」のようです。\r\n\r\n

娘の健やかな成長のために、できることから始める「私の対策」

\r\n\r\n\r\n\r\n日本で働いていたころは、午後9時を目標に娘を寝かしつけるのに必死でした。\r\n\r\n私は、日本に帰国したら、働きながら一人で子育てをするという生活がまた始まります。\r\n\r\n子供が早く床に就き、就寝するというのは、子供の健康のためだけでなく、自分の睡眠時間や自由になる時間が増え、私のストレス軽減にも役に立つと思います。\r\n\r\n少しでもできることは、取り組んでみたいなと思いました。\r\n\r\n

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• テレビに切りタイマーをセットする

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• 会社に時短勤務を申請する

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• 自分でコントロールできる仕事に関しては残業をしない

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• 作り置きのおかずを増やし、夕ご飯を作る時間を減らす

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• 子供と一緒に就寝して、早起きをして家事をする

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\r\n\r\n私ができそうなことは上記のようなことですが、親だけが必死になるのではなく、テレビや絵本を通して、社会全体で子供の早めの就寝を促すイギリス社会の姿勢はとても参考になりました。\r\n\r\n2、3日では変わらなくても、根気強く習慣づけることによって子供の生活リズムは定着していきます。\r\n皆さんもちょっとした工夫から始めてみてはいかかでしょうか。

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川崎 裕子

２０１６年９月イギリスより帰国。茨城県出身。家族はカナダ人の夫と２０１２年生まれの娘。ライター業のかたわら、新卒以来勤めた会社を退職し起業に向けて準備中。また、娘のインターナショナルスクールのボランティア活動に精を出している。